毎日の歯磨きでは手の行き届きにくい部分のクリーニングを、歯科衛生士が専門的な器械を使って行うことを「 PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)」といいます。
PMTCを行うことにより、虫歯や歯周病、口臭の予防の他、歯質の強化や着色除去など審美的な効果もあります。
ここでは「PMTC」の流れをご紹介しましょう。
現在のお口の中の状態や、お困りごとなどをお伺いし、体調や生活スタイル、食生活や嗜好品などを伺って、歯の健康に影響をもたらす様々な要因を探っていきます。そして、今後予防していく上で、どのような対策を立てるかの参考にさせていただきます。
最も一般的なのは「唾液検査」です。唾液の様々な働きを検査することで、お口の中の現状はもちろん、虫歯や歯周病などへのなり易さなど、予防対策を立てる上でとても大切なことが判ります。
ミュータンス菌の数/ラクトバチラス菌の数/唾液の緩衝能/飲食の回数/プラークの蓄積量/唾液の質と量/喫煙本数/危険因子の数/歯周病進行度/歯周病菌のチェック/
その他にも虫歯や歯周病の検査など、必要と思われる検査を行います。
歯垢染色液を使用して、歯の汚れている箇所を染め出し、歯垢など汚れの付着状態を調べます。
「染め出し」の結果を元に、汚れのついているところを徹底的にキレイにしていきます。
●炭酸ナトリウム塩を専用の器具から吹き出して、歯の表面の汚れやヤニ、茶渋などの着色をとります。
●歯石(歯垢が固まったもの)の付着が見られた場合は、専用の器具を使って歯石を細部まで取り除きます。
フッ化物入り研磨ペーストを注入、または塗布し、歯を1本1本丁寧に磨いていきます。
●ハト派の隣接面の汚れをプラスチックのチップでこすり落とします。
●歯と歯肉縁下の汚れをラテックスゴムのカップやブラシで落とします。
歯面の研磨剤を十分に洗い流した後、歯周ポケット内も洗浄します。
フッ素にはエナメル質の、歯を溶かす酸への抵抗力を強める働きがあり、歯の表面に塗ったり洗口することにより虫歯を予防する効果があります。専用のジェル(フッ素配合)を使って、歯と歯の間や表面を1本ずつ丁寧に磨きます。
問診や検査結果を元に、どうすれば虫歯を防げるかをお話しします。
そして、ご自身でのお手入れで最も重要な歯磨きについて、「ブラッシング指導」を行います。
「毎日歯を磨いているのに虫歯になった」という方が非常に多く見受けられますが、その理由は「正しく」歯を磨けていないからなのです。お口の中や歯の状態は人によって異なるため、歯の正しい磨き方も違います。
また、定期的にPMTCを行い、ご自身ではお手入れできない箇所のケアをすることをお勧めします。
●3DS
3DSとは抗菌剤やフッ素等を安全、確実に歯に塗る方法です。 歯の型をとって、透明な薄い樹脂で作った型の中に虫歯菌を除菌する薬を入れて使います。 PMTCでバイオフィルムを取り除いた状態で使用することにより、薬の浸透率が高くなり効果的です。
●シーラント
奥歯の噛み合う面など、虫歯になりやすい奥歯の溝に接着率のあるプラスチックで埋めます。
これで、食べかすがたまりにくくなることで、虫歯予防に効果的とされています。
このように歯を守るために必要なのは、ご自身で行う毎日の「セルフケア」と歯科医院で行うご自身ではできない「プロフェッショナルケア」です。 虫歯の原因、条件を認識することで、予防の意識を持つことができ、 ほんの少しの努力と心がけで健康な歯を維持することができるのです。 |